筒美京平先生と初めて会ったのは彼がレコード会社を退職し「作曲家になるぞ~!」宣言をした時の事です
当然曲の発注がすぐに来る訳でなくかなり不安だったと思います。
また結婚する事も決まっていました
結婚式にも出席させて頂きました
京平さんの作ったメロディを初めて聞いた時のショックはいまだに忘れられません!
何だ?この人は!何だ?この綺麗なメロディは!と言うのが正直な気持ちでした
たしか「黄色いレモン」と言う曲だったと思いますが違っているかも解りません
才能が溢れてくるような心に響くメロディ、おそらく歌として完成してないメロディだったかも解りません
当然のことながら「CMソング書きませんか?」とお誘いしました
その頃はコルゲンさんとも仕事を始めたばかりでしたから筒美京平さんとコルゲンさんと言う今考えると何とも贅沢な作家を持っていた訳です(笑)
最初は短いCM等も書いて頂き予算無い時はピアノも弾いて頂いたりしました
やっぱり歌を書いて頂きたいのでお願いしたのが日産サニーのCMソング「男の世界」でした
作詞は林春生先生にお願いしました。歌はほりまさゆきさん、朗々と歌い上げるサビがとても素敵でしたよ!
CMの最後に「俺のクルマ」と言うセリフをほりさんに言って貰いましたが中々思うような雰囲気で喋れません
仕方なく「俺のオンナ」と言う気持ちで言って下さい、と注文しましたらバッチリのセリフが取れました(笑)
そしてその後にお願いしたのが「甘い想い出」と言う曲でした
車のCMなのになぜかボサノバ!歌は永田克子さんでした「甘い想い出、甘い想い出昨日のように・・」と言う歌です
他にはコニカの「ジャーニーコニカ」のCMソング「笑顔でジャーニー」と言う曲も書いて頂きました
この曲の作詞は阿久悠先生、歌は井上順さんでした
レコード化する事なくずっと埋もれていましたが数年前に「ザ・ヒットメーカー、筒美京平」と言うCDBOXで日の目を見ました
そのCDBOXを企画した方が販促用に配ったソノシートを持っていられたので本当にびっくりしました!
その後すぐにヒット曲を量産する大ヒットメーカーになってしまったのでCMをお願いすることも出来なくなりました
京平さんの才能を表すエピソードをひとつ
何のCMだったかは忘れましたが短い30秒のCMソングの録音の時、スタジオシンガーの方に譜面を渡した時の事です
スタジオシンガーの方々はプロフェッショナルな方ですから譜面を見てささっと歌います、しかしその時は違っていました
ざっと譜面を読んだ歌い手さんから「ちょっと時間貰っていいですか?練習したいので」と言う言葉がありました
決して難しいメロディではないのですが何かが彼を動かしたようです、心を込めて歌って頂きました
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