2016年6月12日日曜日

CM音楽昔ばなし ハスキーヴォイスが素晴らしいジャズシンガー 西城慶子さんの事


いずみ先生の事務所で月間数十本のCM音楽を制作していた頃次第に長い音楽を作りたくなってきました

15秒、30秒の世界から解放されたくなったのです

そこへ丁度お誘いがありフジテレビ系列のフジサウンド(後のアポロン音楽工業)と言う会社に転職致しました

フジサウンドは音響機器メーカーのデモンストレーション用のテープ、8トラックのカートリッジテープ(カセットはまだありません)、マニア向けのオープリールンテープなどを制作していました

当然1曲が長い物です、1本のテープに12曲入ります

著作権のない曲ばかり使って制作していました

8トラックテープは長距離トラックドライバーさんたちが買ってくれています

著作権料払っても彼らが買いたいと思う物を作りませんか?とプレゼンして了解貰いました

さて、どんな物を作ろうかと考えた私はやっぱり歌謡曲だな、と。それも眠気が吹っ飛ぶようなセクシーな声で作ろうと思いました

そこで白羽の矢を立てたのがハスキーヴォイスが魅力的なジャズシンガー、西城慶子さんだったのです

西城さんはご主人の岡崎宏志さんとのデュオで数々のCMソングをお願いしていましたのでよく知っていました

「ほとんど英語の歌しか歌った事ないけど、歌謡曲?」としぶる彼女を説得して初めての挑戦です

その頃流行していたいわゆる「ムード歌謡」の中から選曲して「ワンレイニーナイトイントーキョー」などを録音しました

甘いハスキーヴォイスが魅力的な作品が出来ました、大ヒットです!

そして西城さん「カーステレオの女王」として会社から表彰されたのです!

西城さんは今も現役で歌っていらっしゃるようです、機会があったら聞いて下さいね!

CM音楽から逃げていたつもりが仕事の方からやってきてフジサウンドでもCM音楽制作は続けることになってしまいましたが(笑)


その頃のこぼれ話

ある時大阪の門真市の松下電器にデモテープを届け、プレゼンして来る出張がありました

スーツケース一杯のデモテープを持って無事にプレゼン終了、空のスーツケースを持って新大阪駅を歩いていると突然両側に警察官が!

「何ですか?」「あんた家出したやろ、こっちに来なさい!」「ええ?私は仕事で・・」「届が出ているんよ、早く!」「な・なに?違います東京からの出張です」

「そんな若い子に出張がある訳がない!」と派出所に連行されてしまいました、未成年に見えたらしい(笑)その場から会社に電話して専務に説明して貰ってやっと解放されました

おかげで新幹線乗り遅れました(笑)「若く見えたんだからいいやろ?」と言うのが警察の言い訳でした(笑)

フジサウンドは1年ほどでやめてまたまたCM音楽に専念する事になりましたが・・


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